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糸日谷 晃

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Posted by糸日谷 晃

生意気な奴。

糸日谷 晃



    「いいね。うん。いいね」



西田さんに、作ったものを褒めていただいた事があります。


博物館に勤めるようになって、
間もなく遠くへ行ってしまわれたので、
後にも先にも、その一度だけでした。



手に取り、置いて、少し離れ、また手に取り、

確かめるように、何度も「うん。  うん。」、と。





木の端材を使って、いかに形を魅せるか、

実験の中で、たまたま出来た小さなものです。



普通の人が見たら、ゴミでしょう。

からくりでも、玩具でもなく、

落としただけで壊れてしまった、

そんな些細なものです。





何が、どうよかったのか・・。

その時はさっぱりでしたが、今は少し、

ほんの少しですが、なんとなく分かる気がします。





・・・・





大分昔のことに思えますが、

西田さんに、スケッチを見せていただいた事があります。



「どう?  ○○なんだけど?」



  と、不意に仰るものだから、



「えぁ・・○○ですか・・・?

もっと○○なら・・・した方がいいんじゃないでしょうか?」



・・なんて、咄嗟に思ったことをそのまま答えて、

西田さんは、鳩が豆鉄砲でも食らったみたいに、ポカンとしてました。



きっと、

「すごいですね。」   「かわいいですね。」  「新作ですか!?」



そんな、答えを、予想していたのでしょう。

(  あぁ、しまったなぁ・・・  )と思っていたら、

しばらくして、



「糸日谷君・・・これならどうだい。」



意見と、更に別の要素を加え、新しいスケッチを見せてくれました。









・・その後も



「この動物はどうか?」「どっちが良いか?」「どうしたら、面白い動きになるか?」

など、色々と作品スケッチを見せていただき、



その都度、



「想像上の面白い動物がいたら・・・」「右です・・けど・・ここを・・」「難しいですねぇ・・・では・・・」

などと、生意気にも、思ったことを言っていました。







そして、ある日、

牛を題材にした工作キットを作って、満足そうにしていたら、


部屋に入ってきた西田さんが一言。

「  糸日谷君、それじゃまだ大切なものが足りないね。   哲学が無い。」



しかし、それが、何を示しているのか理解できず、聞き返しました。



「哲学って・・・どういったものなのでしょうか?  分かりません。」



・・しばらくして、



「・・・では、それをこうしてみたらどうだろう。」

と、提示してくれた、その下ネタ満載のアイデアスケッチに、



「おぉ!  なるほど 確かに面白いですねぇ!!」

と驚き、
わざわざイラストを仕上げてくれたことにしばらく感激していました。



それを見た西田さんは、どうだ!  と言わんばかりに

「ニヤニヤ♪」、しておりましたが、



「しかし、それが子ども向けの工作キットとなると・・・哲学となると・・・ちょっと違うのでは・・?」

・・・と、油断したところに、また懲りずにくってかかりました。



あーでもない、こーでもないと、象に立ち向かう蟻のような状態です。



今思えば、西田さんにとって、工作キットだから・・云々、など、

どうでもいいことだったのでしょう。







西田さんのブログには、このような記述があります。



「哲学のない美しいものよりも、

哲学のある汚いものの方がはるかに優れている・・(略)

・・生意気な奴だ。」


※生意気ついでに勝手にリンクさせていただきますね。






   と。





・・



西田さんの作品の  『  哲学  』



「なんだ・・簡単なこと。」と仰る方も多いのでしょうけれども、

未だよく分かりません。



・・・・







その後、
西田さんに頂いたものがあります。



代表作・メカニカルバー、その初期の作品でしょうか。
裏にはサインペンで日付が書いてあります。


博物館が出来る以前、1992年に制作されたものです。



なぜこの品をくれたのか、、、

「気まぐれだよ」、「壊れているからね」、

そんな答えが返ってくるでしょうか。





しかし、そうではなく、



この馬鹿生意気な新人に

「制作にとって大切な『哲学』が少しでも分かれば・・・・」

と思ってくれていたのであれば。。。。







いや、「思う」  「思わない」はどうでもよいことでしょう。

自分の都合に良いよう、解釈されていくものです。







・・・なんにせよ、自分は、



「その『哲学』が何を示しているのか。」

それを理解できるよう、精進しなければ。



そして、それを活かし、



ほんの少しだけでも・・

自分なりの『哲学』ある作品を提示できれば・・・











・・・また













・・いいね。













・・と、・・













・・



そんな、



今日この頃なので、あります。









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